2015年12月22日

子宮頸がんスクリーニングに関して

タレントで弁護士の大渕愛子さんが、子宮頚部の高度異形成にて手術をうけると報道されていました。高度異形成は上皮内がん(0期のがん)も含みます。それ故、円錐切除と言われる手術をして、病変部を取り除きます。
子宮頸がんは、早期発見によって死亡率を低下できるがんの筆頭です。特に上皮内癌の段階で見つかった場合は、ほぼ100パーセントの生存率が期待できます。それ故、WHOでも子宮頸がんのスクリーニングを世界的に啓発しています。また、厚労省助成を用いて行われた研究班もガイドラインの中で、子宮がん検診の有効性を強調しています。

子宮頸がんの原因の一つにHPV(ヒトパピローマウイルス)感染症の関与が指摘されています。子宮頸がんの多くは開発途上国で発生しますが、先進国でも若年層を中心に増加傾向にあります。

このように、早期に発見すればほぼ100%治ると言われているがんですが、我が国の検診状況は、というと、欧米諸国と比して、遅れをとっているのが現状です。
欧米諸国の子宮頸がん受診率は50%以上であるのに比して、我が国は40%に満たない状態です。

なぜ子宮頸がん検診を受けないのか、という理由の第一位は、「見つかったら怖いから」というものでした。
こうした反応が出てくるのは、「早期の子宮頸がんはほぼ100%完治する」という事実が、きちんと伝わっていないからだと思います。


検診による早期発見が、死亡率を低下させるというエビデンスを、国民に周知徹底させる啓発活動が、より活発に行われる事を望みます。