2011年10月9日

国はIPV(ポリオ不活化ワクチン)輸入を早急にすべき!

中国でポリオの症例が、27年ぶりに発生しました。
中国情報筋によれば、
9月28日現在、10人の確定例が報告されているとのことです。

http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2011/10051613.html

ポリオには有効なワクチンがあります。
予防効果が100%近いワクチンがある病気は、
ワクチンを世界中の子供達に打つことによって、
その病気を地球上からなくす(根絶)ことが可能です。
ポリオはその代表例と言えるでしょう。

今まで、ポリオワクチンとしてOPV(生ワクチン)が広く使われてきました。
しかし、ポリオ生ワクチンを接種することにより、
ポリオが発生することがわかってきました。
そのため、世界100カ国以上では、IPV(不活化ワクチン)を導入しています。

わが国は、ワクチン途上国と称されるほど、
ワクチン行政が立ち後れた国です。
その状況で真っ先に取り入れなければならないのが、IPVです。
しかしながら、国はIPV導入を先延ばしにしてきました。
しかし、5月31日、OPVによるポリオ患者発生が報告されることもあり、
より安全で効果的なIPV導入についての議論が活発化しています。

厚生労働省は、早ければ来年度にIPV導入をめざす、としていますが、
わずか4時間弱で行かれる中国から、
いつポリオが輸入されるかわかりません。
私の勤務する羽田空港でも毎日10便の中国便がやってきます。

手に入りにくいワクチンならともかく、
世界でこれだけ多く使われているワクチンを、
なぜ、来年まで待たなければならないのでしょうか。
早急なIPV輸入を推し進めるべきだと思います。


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2011年9月8日

厚労大臣のタバコ料金引き上げ発言に思うこと

小宮山厚労相「たばこ1箱700円に」 増税を主張

 小宮山洋子厚生労働相は5日、たばこ税に絡んで「年100円ずつ引き上げ、(販売価格を)1箱700円ぐらいにしたい」と語った。厚労相はたばこ増税による禁煙推進が持論。「喫煙者の8~9割が本当は禁煙したいと思っている」と述べ、健康を守る目的から値上げが必要と主張した。

 厚労相は「いろいろなデータをみると、(販売価格で)700円までは税収が減らない」と強調。さらにたばこに関する行政について「税収のために財務省が所管するのはおかしく、健康のために厚労省が所管するようにしたい」と述べた。

 たばこ税は昨年10月に1本あたり3.5円引き上げられ、マイルドセブンの場合は1箱の値段が300円から410円に値上がりした。

 たばこ増税をめぐって、野田佳彦首相は財務相時代に「税制を通じたおやじ狩りみたいなものだ」と述べたことがある。首相は愛煙家だという。

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819591E2E7E2E3828DE2E7E2EBE0E2E3E39797E0E2E2E2;at=ALL

2011年9月5日 19:31配信 日本経済新聞




厚労大臣のタバコ料金引き上げ発言が、
閣内での波紋を呼んでいるようです。

政治的な意味合いはともかく、
公衆衛生的には、喫煙は大きな問題であり、
この問題に関して、国民の健康問題を
司る監督官庁の長が言及したこと自体は、評価すべきと思います。

日本はタバコに対して、非常に甘い国です
(過去記事:たばこに甘いニッポン参照)。

タバコを吸うことは個人に自由である、という主張を聞くことがありますが、
タバコは多くの有害物質を出します。

その中には、発がん物質も多く含まれます。
タバコを吸うことは、自分の健康を損ねることだけでなく、
周りの人たちの健康にも影響を及ぼします。

自分の権利を最優先にし、他人への被害は顧みない行為は、
どんな場合においても認められる事ではなく、
タバコだけが免罪符を得る理由は、どこにも見当たりません。

また、喫煙はがん、心疾患、喘息など、様々な疾患の原因であることから、
喫煙者の増加は、医療費増加に直結する、大きな社会問題です。

9月7日の米国CDC発表によれば、
「喫煙と受動喫煙により、毎年44万3千人が死亡している」であり、
「喫煙による被害は、健康問題にとどまらず、
年間約18兆円の医療費増加に加え、労働力の減少を生む」としています。

日本の公衆衛生にたずさわる人たちは、
今回の発言に関して、どのように受け止めているのでしょうか。
今回の発言を、「単なる政治的なもの」とせず、
専門家としての積極的な発言を期待します。

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2011年6月29日

メディアが取り上げない、被災地の感染症対策

2011年3月11日に発生した、巨大大地震は、
3カ月が経過した今でも、大きな後遺症を残している。
仮設住宅2万8千戸が完成したものの、
避難者数は、9万人、不明者約8千人、といった状況である。

このような状況が続く中で、
感染症対策は大きく立ち遅れている分野の一つである。

何故、感染症対策が問題になるかと言えば、大きく分けて2つある。
一つには、衛生状態が決して良いとはいえない、避難所生活を続けることにより、
肺炎や、下痢性疾患などが流行することである。

もう一つは、予防接種の不徹底により、
ワクチン予防可能疾患(Vaccine Preventable Diseases)の蔓延が起こり、
子供たちが、当該疾患で死亡したり、重篤な後遺症に、
生涯苦しめられ、可能性が生じる。

まず、避難生活を営む人たちの中で、
今後注意をすべきであろう感染症について、論じてみる。

まず、重要なのは、急性胃腸炎である。
急性胃腸炎の原因としては、種種のウイルスや細菌がある。
まず、流行が懸念されているのが、ウイルス性の腸炎であり、
代表的なものは、ノロウイルスやロタウイルスによるものだ。
これらのウイルスは、感染力が強く、
少量のウイルスで感染すると考えられている。
感染経路は、主に不適切なし尿による、糞口感染である。
予防のためには、し尿や、吐物の適切な処理、手洗い、
汚染された衣類を捨てる、などがある。

ノロウイルスやロタウイルス性腸炎は、震災初期の、衛生状態が悪い中で、
もっとも流行が懸念されたものであるが、
震災から3カ月が経過した現在でも、流行が報告されている。
http://www.kaiteki-kadenlife.com/virus/virus_002/205450.html

実際、被災地といっても、既に仮設住宅が整っている場所もあれば、
未だに、上下水道の整備されていない、避難所が乱立する地域もあり、
その差による、感染症発生率の違いが、今後、もっと顕著になってゆくであろう。

ウイルス性腸炎に加えて、梅雨を迎えたこれから、
病原性大腸菌やサルモネラ菌による食中毒も多くなってくる。
特に、衛生状態の悪い避難所生活を続けている人たちの間での流行は、
もっとも懸念されるところである。

感染症の問題は、人間間だけにとどまらない。
家畜や、ペットなどの死骸が放置されている地区では、
ハエや蚊が多量発生している。
本来動物に寄生する病原体が、ハエや蚊、
場合によってはゴキブリ、ネズミ等を介して、人にうつることがある。

こうした病気を、「動物由来感染症」と呼ぶが、
コレラ、チフスなど、かつて日本で流行を起こした感染症が、
猛威を振るわないとは限らない。

また、昆虫を媒介とした、「ツツガムシ病」も流行のおそれがある。
ツツガムシ病は、リケッチアであるツツガムシに刺されて感染する。
熱が出て死亡する例もある。
3月に、福島でツツガムシ病が報告されており、
これから夏に向かう季節には、増えることが予想される。

今まで述べた感染症は、被災地のどこで、どの程度の規模で起こっているのか、
正確に把握できていないのが、実情である。
その、大きな理由としては、被災地の他の問題が多すぎて、
こうした、感染症にだけ、注意をむけられない、
という被災地の現状があるからだ。

被災地の医療活動は、感染症も含めて、
DMAT、FETPや医療ボランティアの活動に支えられてきた。
災害が起こった1,2カ月は、ボランティアも多く入り、物資も届く。
メディアも関心を持って、取り上げ、
被災者も、周りの助力に関して、感謝の念を抱く。
所謂、「ハネムーン期」と呼ばれる時期である。

しかし、3カ月が過ぎた今、メディアの関心も薄くなり、
ボランティアも自分たちの本来の仕事に帰ってゆくようになった。
インフラが速やかに回復した地域と、
そうでないところの格差感が広がっている。

整備が立ち遅れたところからは、
以上述べたような感染症のリスクが高い。
こうした地域への、専門家派遣などの重要性は、
多くの人が指摘するところである。
それはもちろん大切であるが、我が国に多くの人材がいるか、
といわれれば、そうではない。

被災地の行政は、疲弊している。
それは、彼らたち自身も、被災者であるからだ。
震災後に、避難所のトイレが、し尿であふれ返っている状況を見かねた医療者が、
地方自治体に改善を求めたところ、
「し尿の衛生管理は保健所(厚生労働省)だが、
処理施設自体は、国土交通省の管轄であり、
環境省にも連絡しなければ、動けない」
趣旨の事をいわれ、大変困ったという、話を聞いた。


縦割り行政の弊害、といってしまえばそれまでであるが、
し尿であふれ返ったトイレを放置すれば、
感染症が広がることは明らかである。
そして、それを処理するための枠組みがややこしすぎるために、
現場も、地方行政も、要らぬ労力を使うはめになる。

国が、平常時のような、法の枠組みを順守することに固執せず、
地方行政と、被災地の現場が、動きやすくするための、
「規制緩和」を速やかに、実行することが、最も求められることである。
これは、震災に限らず、どんな危機においても、当てはまる。

次に、第二の問題である、「ワクチン」である。
私は、この問題を、最も重要視し、
かつ、国として早急にとりくまなければならない、と思っている。

ワクチンには、必ず副反応がともなう。
稀ではあるが、重篤な副反応により、命を失うこともある。
しかし、その危険性を差し引いても、国民あるいは世界全体というマスと、
当該疾患から守るという、利益が上回るときに導入されるものである。
これは、正に、公衆衛生(Public Health)の概念そのものである。

日本は、諸外国に比べて、ワクチン対策に置いて大きく後れを取っている。
このことは、我が国の公衆衛生行政が立ち遅れていることを、明確に示している。

WHOが勧告しているワクチンの中で、
我が国が未だに導入していないものは多い。
その中には、接種しないことによって、
子供の命が失われる危険性があるものが多い。
例えば、細菌性髄膜炎(Hib)、B型肝炎、肺炎球菌、
ロタウイルス性下痢症、である。
また、接種によって、実際の病気が引き起こされることが明らかになって、
他国が取りやめている、ポリオ経口生ワクチン(OPV)を、
未だに使い続けている、珍しい国でもある。

また、導入しているワクチンも、「任意接種」という、
「打っても打たなくても良い」といった印象を与えかねない、
名のもとに、接種率が上がっていない、重要なワクチンもある。
Hibや、小児用肺炎球菌ワクチンが、この代表格であろう。

このように、平時においてもいい加減なワクチン政策が、
震災によって、より、悲惨な状況になっている。
それは、必要なワクチンスケジュールを管理する、
行政窓口が立ち行かなくなったり、
被災により、ワクチンを打つ医師がいなくなったり、
あるいは、ワクチンそのものが無くなってしまった、などの理由からである。

平時と違う状況としては、建物の倒壊や、瓦礫などによってけがをし、
汚れた傷から、破傷風が生じる、という例があげられる。
幼少時にワクチン(DPT)を打っていれば、
免疫が数年持続する、と言われているが、
震災によってこれが接種できない場合、
あるいは、決められた回数打てない、といった場合には、
感染する危険性が高まる可能性がある。
また、けがによって感染する疾患として、B型肝炎があげられる。
B型肝炎は血液を介してうつり、諸外国では、
出生とほぼ同時に打つことが、ルチンになっている。
しかし、我が国では、公費化されておらず
(ワクチン行政の一部に組み込まれていない)、
今後、将来にわたって、どの程度B型肝炎が発症するかは、
未だ不明である。調査が行われる、という話もきかない。

このような、「けが」などの震災前期に多く起こる病態に加え、
これから、長期的に考えてゆかなければならない疾患がある。
それらは、麻疹(はしか)、細菌性髄膜炎、
肺炎球菌と言った、重篤な疾患である。

いずれも、小児において、重要な病気である。
それは、罹った場合、命をおとしたり、
重篤な後遺症を残すことがあるからだ。
被災により、体力が低下した子供たちに、
今後広がる可能性が指摘されている病気である。

幸いにも、効果的なワクチンがあり、
VPD(Vaccine Preventable Diseases:ワクチンで予防可能な疾患)の代表であるが、
「幸い」という文言が、日本にはあてはまらない、のは、前述したとおりである。

また、もうひとつの懸念は、「日本脳炎」の流行である。
日本脳炎は、豚から、コガタアカイエカという蚊を媒介して、人間に感染する。
日本脳炎ウイルスは、ほとんどの場合、人間に感染しても、
無症状ですむが、約1/100 から1/1000の確率で、脳炎を発症する。
その場合の致死率は20から40%と高率である。

これまでは、コガタアカイエカが生息する、
南や西日本地帯が危険だとされてきたが、
病気を媒介する、コガタアカイエカの分布が、
北上している傾向があり、今後被災地でも、起こる可能性はある。
http://idsc.nih.go.jp/disease/JEncephalitis/QAJE02/fig02.gif

日本脳炎は、ワクチン接種で予防できる感染症の一つである。
しかし、2005年5月30日の、厚生労働省による、
日本脳炎ワクチン積極的勧奨の差し控え以降、
3~6歳での日本脳炎ワクチンの接種率が減っている。
現在では、徐々に回復していると推測されるが、
未だ100%接種をのぞむのは無理だろう。
http://idsc.nih.go.jp/disease/JEncephalitis/QAJE02/fig04.gif
 
繰り返すが、我が国の公衆衛生のインフラ整備は立ち遅れている。
それが、ワクチン政策に如実に表れている。

現在、被災地には、UNICEFが入って、活動をしている。
半世紀ぶりの日本への支援である。
その活動は、以下のサイトに紹介されている。
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2011/1103_09.htm

「被災地の復興は、ボランティアの活動なしにはあり得ない」というのは、
誰もが実感するところであろうが、
日本は、GO(ボランティアとはよばないかもしれないが)、NGO問わず、
外部からの支援を効率的に活用することが、あまり上手くないのではなかろうか。

特に、海外のNPO受け入れについては、
もう少し、効率的に行ってもよいのではないか、というのが個人的な感想である。
言葉の障壁は、我が国にとって大きな問題であるが、
それ以前の問題として、政府や地方自治体が、
こうした「助けの手」を、なかなか受け入れられない、
「文化」のようなもの、が存在しているのではないか、と感じている。

繰り返すが、被災地における「感染症対策」は、十分ではない。
しかし、それが表立ってこないのは、
被災地の状況があまりに酷過ぎて、隠れてしまっているからである。
感染症対策の中で、最も重要なのは、衛生状態悪化による感染症の流行と、
ワクチン政策不備による、子供たちの重篤な感染症罹患である。
特に後者は、「次世代を担う世代を守る」、という国の根本的責任そのものだ。
被災地の感染症対策を、みて見ぬふりをせず、
国の最重要課題として取り組むよう、希望する。


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2011年6月7日

公務災害申請は、私に課された使命 - 「山形労働局でセクハラ 近く懲戒処分」を読んで

いかに多くの罪悪が《国家のために》という美名の仮面のもとになされたことか
‐James Ramsay Macdonald


以前私は、「私が公務災害を申請したわけ-(1)」を書きました。
http://kimuramoriyo.blogspot.com/2011/03/1_07.html

つい先日の新聞報道を読み、改めて、
公務災害申請は私に課された使命だと確信いたしました。
厚労省の地方労働局内で起きた、8年にもわたるセクハラ事件(性的暴行を含む)で、
加害者の男性職員らは、セクハラを認めて慰謝料まで支払っているというのに、
被害者女性が厚労省に対して行った
公務災害の申請(セクハラによるPTSD発病)については、
審査に4年もかかったうえ、挙句の果て、却下されたというのです。

さらにたちの悪いことに、厚労省は、
「セクハラによるPTSDの公務災害補償は前例がなく、審査に時間がかかった」と、
労災を所管する省庁とはとても信じられないような言い訳をしています。

セクハラ問題に詳しい弁護士も
「労働局でのセクハラは聞いたことがない。民間を指導しているのに、
足元の啓蒙、指導ができていないのではないか」と指摘しています。

【出典】山形労働局でセクハラ 近く懲戒処分 2011年06月04日 朝日新聞
http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000001106040002

セクハラ・パワハラ等を防止し、職場のメンタルヘルス向上をつかさどる監督官庁は
厚生労働省です。

この記事は、極めて重要な社会問題を提起しています。


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近年、自殺対策の一環として、職場のメンタルヘルスの重要性が重視され、
最前線で担当する厚生労働省でも、下記のホームページにありますように、
労災認定で、精神疾患発症の原因として、セクハラやパワハラ(上司によるいじめ)を
より重視する立場をとっています。

●セクシュアルハラスメントによる精神障害等の業務上外の認定についてhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/090316f.pdf

●上司の「いじめ」による精神障害等の業務上外の認定について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/090316g.pdf


改めて強調いたしますが、
地方労働局は、民間職場にセクハラ防止を呼びかけたり、
一般企業の労働者からの労働災害(労災)申請について、審査を担当するところです。
そこで、セクハラが8年間という長期にわたって持続してきたこと自体、
由々しき重大問題です。

それだけでなく、精神疾患(PTSD)を発症した女性が、
厚生労働省に、公務災害(民間では労災)申請し、
その調査決定に4年もの長い時間が費やされました。
その上、公務災害は認められませんでした。

厚生労働省は「審査に(4年もの)時間がかかった」と言い訳していますが、
民間での労災については、下記の通り(※)「審査の迅速化」を、
地方労働局に対して指導しています。

このダブル・スタンダードは、一体全体どういうことなんでしょうか。

(※)
「2010年10月15日 第1回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会議事録
労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室」において、
担当者が以下のように発言しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014ugu.html

「幡野職業病認定対策室長補佐 
(略)  この労災請求件数については、・・・今後も増加が見込まれる状況にある。
このような状況の下で、精神障害の事案の審査には平均して約8.7か月の期間を要し、
また、その審査に当たり行政においては莫大な事務量を費しているところである。」

「精神障害の事案に対する早期の労災認定は、
厚生労働省の自殺・うつ病等への対策の一環としても位置づけられる等、
労災請求に対する審査の迅速化を進めることが不可欠となっている。」


一般企業の労災申請では、審査結果がでるのに「8.7か月」かかり、
厚労省は、それでは「長すぎる」ので、審査の迅速化」が不可欠と言っています。
一方で、自らのお膝元では、その約5倍にあたる「4年」という、
非常に長い時間をかけて、「非常に丁寧に」審査をしているようです。

この事は、厚労省内部での「職場のメンタルヘルス」に関する認識が、
いかにお粗末なものであるか、を示しています。

繰り返しになりますが、
「民間を指導しているのに、足元の啓蒙、指導ができていないのではないか」
と言わざるをえません。


この女性は、公務災害申請とは別に、
加害者である男性職員を相手に訴訟を起こしています。
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20110605ddlk06040044000c.html

2009年に和解が成立し、加害者である男性職員らは、
謝罪し、慰謝料を払い、さらに今回懲戒処分も受けることになりました。

2009年に和解が成立しているのに、さらに1年以上もかかって、
ようやく先月、公務災害申請の調査結果が出た、というのです。

これはどういう意味かと言うと、
「セクハラは事実なのに、公務災害は認定されなかった。でも懲戒処分はする」
ということです。

とても、不思議な理屈なのですが、
なぜ、このような結末になったのかと言えば、
以下のように推測されます。


女性が起こした訴訟では、加害者男性らを相手どって訴訟を起こします。
裁判ですから、事実認定は裁判所の役目であって、厚労省自ら行う必要はありません。

ところが、公務災害の審査は、厚労省が自ら内部の調査をしなければなりません。
何しろ「セクハラ・パワハラはいけません」の監督官庁ですから、
このような事実が身内で起こっているという事実を認めたくなかった、
という、身内意識が働いたのではないか、
そして「4年」という超長時間の時間稼ぎをしている間に、
被害者女性が公務災害の申請を取り下げてくれるのを待っていたのではないか 、
そんな風に考えざるをえません。

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私が何故、この記事を取り上げたのかと言えば、
自分自身も、職場からの「ひどい嫌がらせ・無視」を経験し、精神を病んだからです。
そして、厚労省に対して「公務災害申請」をしたものの、
杜撰な対応で、審査もされないまま、正当な理由がなく突き返されたからです。

ここでも、「公務災害申請をさせないぞ」という「嫌がらせ」が起きているのです。 
(なお、その後、制度に則り、人事院に審査の申し立てをしたところです。)

今回の記事のように、セクハラ・パワハラにあって精神を病んでつらくても、
声をあげられない、良識ある普通の公務員は少なくないと思います。
彼らたちが何故、セクハラ・パワハラ、嫌がらせの対象になるのでしょうか。


理由はさまざまあるでしょうが、
その一つとして、確実に私の体験から言えることは、
「国益を考えて正しい意見表明する」者に対する制裁的意味合いがある、
これは疑いようがありません。

一部の高級官僚たちが、自分たちの既得権益を守るため
天下り等を繰り返す事例により、
公務員に対する世論の視線は厳しくなっています。
こうした「悪徳官僚」はごく一部に過ぎませんが、
彼らはその優越的地位(省庁の幹部)ゆえに「強大な権限」を握って、
自らに反対する、部下からの健全な意見を、ことごとく潰しにかかっている、
というのが事実ではないでしょうか。

真に、国民を考える公務員が、自由に声をあげられるようにする事が、
本当の意味での「公務員改革」なのだ、と思います。


最初に、私は、公務災害申請を「使命」と述べました。
それは、私一個人の問題ではなく、私の申請事案を端緒にして、
霞が関の意識を変えて「国民にとって正しいと考えることを自由に発言できる」
健全性を取り戻す契機にしたいと、
心の底から願っているからにほかなりません。

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2011年5月27日

「人にやさしい政治」とは ―被災地での自殺防止を考える

震災後の復興に向けての取り組みが、様々なところで行われています。

「復興」というと、建物や、経済といった事に関してだけ注意が向けられがちですが、
忘れてはならないのは人(ヒト)です。

今回の震災で、自分の家を失ったり、会社が壊れたりし、
経済活動にも大きな被害がもたらされました。
それと同時に、人の心も大きな打撃を受けているのです。

今回の震災のように、今まで遭った事のない衝撃的な場面に遭遇すると、
人間の精神にも影響が出てきます。
肉体が「けが」をするのと同じく、心もけがをするのです。
これをPTSD(Post Traumatic Stress Disorder)と言います。
PTSDになると、夜眠れなくなったり、津波や建物の崩壊といった、
過去に見たり経験した事がフラッシュバックとなって出現したりします。

PTSDは、衝撃的な出来事を経験してから、すぐには起こりません。
大体1~2カ月以上経過して起こるのです。

PTSDがなぜ重要なのかと言うと、早期に発見し適切なケアをしないと、
PTSDに加えて、うつ病も発症し、
「自殺」という最悪の事態が起こる可能性があるからです。


震災による大きな影響を受けた地区として、岩手県があります。
被災地のうち、特に、岩手県は自殺「率」がもともと高い県です(全国第3位)。
(参照:「平成22年版 自殺対策白書」PDF


心が痛むことですが、岩手県では自殺された被災者の方もいらっしゃいます。

mainichi.jp 東日本大震災:「精神的ケア必要」300人以上 岩手で ◇悲しみの連鎖…自殺のケースも 2011年5月22日


都市部と違って、地方の県では、もともと精神科を受診することに関して、
しり込みする人が多いようです。
被災地には、こころのケアチームが派遣されていますが、
「本当はつらいのだけれど、周りを気にしてなかなか言えない」
と言う人が多いと聞きます。

果たして、こうした状況が周知されているか、といえばそうではないのです。
健康に関する問題では、放射線による晩発性障害については、
メディアもこぞって取り上げます。
実際、私自身、非常に重要な問題としてブログ等で取り上げています。

同様に、PTSDによる自殺についても、今まさに起ころうとしている事であり、
政府や専門家、あるいはボランティアの関与が必要な問題です。
これは、以前ブログにも書いたとおりです。
(参照:「遅れて」やってくるPTSD-「心の傷は生涯癒えないことがある」


民主党政策の要は、「ひとにやさしい政治」です。
今、誰にも見つけられないまま「自殺」という危機にさらされている命を、
すみやかに救ってあげることに、政府が責任をもって介入してゆくべきだと思います。

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2011年5月23日

事実を国民に知らせるのは、政府の義務である。 「フクシマがチェルノブイリ事故を超えていることは間違いない」

―「国を建てるには千年の歳月でも足りない。だが、それを地に倒すのは一瞬で充分である」 by George Gordon Byron―

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すでに3月30日に、放射能の危険に関する欧州委員会( the European Committee on Radiation Risk, ECRR )の学術部局長、スウェーデンのクリス・バズビー博士が発表した福島原発事故の影響に関する報告書では、以下のような結論と勧告が示されている。

1.ECRR
の危険評価モデル(危険率モデル)を、福島原発惨事から半径100キロメートルの範囲に住む300万人に適用した。これらのひとびとが1年間同じところに留まると仮定した場合、予測される癌増加数は今後50年で約20万人、そのうち10万人は今後10年以内に診断されることとなる。即座にこの地区から退避した場合、増加数は著しく減少する。事故原発から100~200キロメートルの範囲に暮らす700万人について予測される癌増加数は、今後50年で22万人を若干超えるものとなり、今後10年に約10万人が発症する、とみられる。この予測は、ECRRの危険評価モデル、ならびにチェルノブイリ事故後のスェーデンにおける癌危険率に関する調査結果に基く。

2.国際放射線防護委員会 ( ICRP )
のモデルを用いた場合、半径100キロメートル範囲に住む人間の癌増加数は2,838となる。従って、最終的な癌増加数が ECRR と ICRPの危険評価モデルの優劣を決める新たな試験となろう。

3.日本の文部科学省が公表したガンマ線量に基く計算値を使い、認知されている科学的な方法により、計測地点の地表汚染を逆算することができる。その結果が示すのは、国際原子力機関( IAEA ) の報告は汚染レベルを著しく過小評価していることである。

4.放射性同位体による土壌汚染の計測を早急に行い、注意を喚起してゆくことが求められる。

5.福島原発から100キロメートル圏内で、北西地域の住民は即座に退避し、この地域を危険区域(立ち入り禁止)とすることが求められる。

6.ICRP
の危険評価モデルを使うことはやめて、すべての政治判断を「放射能の危険に関する欧州委員会」の勧告に従って下すべきである。www.euradcom.org これは「2009レスボス宣言」に署名した、放射線の危険に関する著名な専門家の出した結論である。

7.故意に情報を一般市民から隠した者に対する捜査と法的制裁を行うべきである。

8.報道においてこの事故が健康に与える影響を矮小化して伝えた者に対する捜査と法的制裁を行うべきである。

 この7は東電と保安院に対して、8はマスメディアの情報操作に対して向けられたものである。このECRRの勧告に対比すると、政府が現在取っている措置は、広島原爆投下後の政府・大本営の状況認識および対策との差とあまり違いがない。米国と文科省が共同で行った地上1メートルのセシウム137(半減期30.3年)の汚染度を見ると、原発から北西の方向に半径30キロを超えて、300万~1,470万ベクレル/平方メートルという超高濃度汚染ベルトが広がっている。(チェルノブイリ事故の汚染は避難地区がわずか13万5,000ベクレル。事故処理に当たった労働者の平均被爆量が165ミリシーベルト)。福島では、原発から40キロ離れた飯館村でも外部被爆線量が年間26ミリシーベルトになる。10年住めば、厚労省の「緊急被爆基準値」の250ミリシーベルトを超えてしまう。

ともかく放射能汚染度が、チェルノブイリ事故を超えていることは間違いない。政府はそのことを率直に認め、住民に安易な帰宅計画の希望などもたせず、「広島、長崎と同じことが起こったし、いまも続いている」ことを告げるべきだ。広島長崎の被爆者も「核兵器廃絶は原子炉廃絶なくしてありえない」ことを自覚すべきだ。

 半減期というのは放射能が半分になることで、1,470万ベクレルのセシウム137は30.3年経っても735万ベクレルになるにすぎない。100年経って元の4分の1=367万5,000ベクレルだ。チェルノブイリの13万5,000まで落ちるのに何百年かかるか?相馬市、いわき市、福島市に挟まれた広大な無人の荒野を想像すると、寒気がしてくる。

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これは、広島大学名誉教授、難波鉱二氏が、あるメーリングリストに送ったものです。
転送自由ということで、引用しました。


放射性物質には様々な種類(核種)があります。
今回の原発事故で放出された核種は、100のオーダーと言われています。

その中で、最も注意が必要なのは、ヨード131 、セシウム137、ストロンチウム90です。
ヨード131は小児の甲状腺疾患を引き起こす原因とされていますが、
半減期が約8日と短いため、事故から2か月以上経過した今、
問題となるのは、セシウム137、ストロンチウム90です。

セシウム137は、主に呼吸によって体内に入り、カリウム(K)と同じ動態を示します。

これに対して、ストロンチウム90は、カルシウム(Ca)と同じような動態を示します。
すなわち、カルシウムの多い食品は、ストロンチウムを多くとりこむ、と言うことです。


このように、放射線が、体内に取り込まれることを、「内部被ばく」といいます。
外部被ばくに比して、内部被ばくの割合は多く、
その影響は、長期的に追跡をしないと分からないところがあります。

しかし、確実に言えることは、セシウム137やストロンチウム90などの
放射性物質の影響をもっとも大きく受けるのは子どもたち
(特に5歳未満の小さなこども)です。



子どもは外で活動します。家の中でじっとしていることはおかしいです。
そうなれば、大気中に漂う、あるいは土壌から舞い上がるセシウム137を
吸い込む可能性が、大人に比べて高いと言えます。

また、子どもは体内の水分比率が大人より大ですから、
身体の水分に溶け込むセシウムの割合も、必然的に大人より高くなります。

また、子どもは、大人より、牛乳をのむ機会が多いのが一般的です。
となれば、ストロンチウム90の内部被ばくにさらされる機会も多い、
と考えられます。
(参照:ヒロシマ、ナガサキ、チェルノブイリから学ばない原子力政策 ―子どもたちに対する、的確な放射能被ばく対応を望む―

しかしながら、放射線は遺伝子であるDNAを傷つけることが分かっています。

傷つけられたDNAが正常に修復されない場合、
異常な細胞が産生されてゆきます。
こうして生じるのが「がん化」です。

ヨード131を除いて、ある特定の核種が、
特定のがんを特異的に引き起こす事が多い、
と言うことは証明されていません。
しかし、放射線の一般的な特性を考えれば、

どの核種による被ばくにおいても、将来のがん発生の可能性を考えることは、
当然のことと言えます。


がん化には、10年から20年以上が必要だといわれます。
子どもたちは成長の過程にありますから、それだけDNA複製も活発に行われます。
つまり、放射線の影響を受ける機会も大人より多いわけです。

また、平均余命を考えれば、将来、子どもたちが、がんに罹る確率も高くなります。

子どもたちは将来の国を背負う、貴重な人材です。
この2か月の、政府の無策は、この子どもたちを最も危険な状態にさらしてきた、
と言えます。



原子力発電による経済効果、各国との調整、地元の生活基盤の問題など、
様々な事柄が渦巻いているのは理解できます。

しかし、どんな事項を差し引いても、子どもたちの将来を奪う権利は、
だれも持ち合わせていません。

各国から寄せられるシミュレーションや、散発的なデータ、
気象条件を鑑みれば、核種は大気中に放出され、
多くは海に流されたと考えられます。
今後、どのような状況になるかは、政府の速やかな情報開示が必要です。

それは、今までの厳しい状況を見て、
個人の責任で判断する事項も多く存在するからです。


そして何よりも、正確なデータに基づいて、
子どもたちの安全を最大限に考えた具体的、速やかな行動を政府がとることを
要望いたします。

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2011年4月19日

義捐金はどこへ行く ―被災者のために有効に使われているのか?-

東北地方太平洋沖地震に際し、「義捐金」を集める運動が盛んに行われています。
義捐金とは、日本赤十字社に対する寄付です。
被災では、家や家族を失った人がたくさんいます。
そのために、寄付を募る事はごく当たり前の事です。

しかしながら、その集めたお金なるものが、
果たして、被災者にとって良い方向性を持って使われているのでしょうか。
(参照:日本赤十字社義援金は能力なりの規模に:免罪符的寄付から自立的寄付へ

そんな疑問を抱いている折、一通のメールが飛び込んできました。
それは、アメリカに住む日本人医師からの「義捐金」を巡る動きをつづったものでした。


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今回の震災後に、多くの「組織」が、「アメリカの医療者」に「日本でのボランティア活動」の募集を繰り返ししています。

「義捐金を元」に、アメリカからの往復の交通費と宿泊費と食費が全額支給されるそうです。1週間ずつの滞在で交代するそうです。1チームが医師1-2名、看護士3-4名、理学療法士他、他の医療者1-2名の計6-7名を1週間毎に送る計画を立てているそうです。(もう始まっているそうです。)

アメリカ人の医療チームが被災地に入っても、医療体制の違いや、治療薬剤名の違いなど、なかなか「スムーズに行く」とは思えませんが、アメリカ人には「被災地をこの目で見てみたい」という「衝動」に駆られる人が多いようです。

「話題つくり」としては「インパクト」もあるし、アメリカで「被災地の現場の写真」をみなの前で「上映」すると、多くのアメリカ人が興味を持って聞いてくれます。

「相当額の義捐金」がこういう形で「アメリカに流れて来て」、飛行機代とホテル代と食費に消えているのを目にすると、これが「有効な使い方なのだろうか???」と疑問に思うことがあります。

多くのアメリカの若い独身の医療者が「ボランティア期間」の給与を、自分の病院から確保して、「ただで日本へ往復できる」と思っている「不届き者」もいるように聞きます。

とある日本のNPO団体が、義捐金から相当額を確保して、この「アメリカからの医師の派遣」を実現したとのことです。

今回の震災では義捐金の額も巨大で、また、それに群がるNPO団体も多数あり、その「使い道」をどうするかを決める人が誰なのかも不透明なのではないでしょうか。

アメリカにも「日本のNPO団体」と称する団体から、たくさんの人が「アメリカ支部勤務」として住んでいますが、、、、多くが「何をやっているのか不明」さらには「その団体の設立目的が不透明」なところが多々あります。
私個人としては信用できない団体ばかりで、関わり合いになりたくないと思っています。(多くが政府の外郭団体で、役人の天下りで占められているようなところばかりです。お金はふんだんにあるようで「日本からのお客さん」を招待したり、、、招待されたり、、、)

震災後に「日本の闇の部分を目の当たりにするよう」で、私個人としては「とても暗い気持ち」になっています。

私の所へ「日本へのアメリカ人医師派遣の誘い」をしているのはProject HOPE という団体です。
http://www.projecthope.org/where-we-work/humanitarian-missions/japan.html
http://www.projecthope.org/news-blogs/In-the-Field-blog/volunteers-assess-needs-in.html

彼らによれば、「資金の確保を日本のNPO団体からできているので、旅費、ホテル代、食費は全部まかなう。その手配も日本側で行ってもらえる。日本で医者の足りない病院に入って診療を行う」とこのことでした。
日本側の「政府の要請」だそうで、具体的な日本側のNPO団体の名前は知りません。

彼らのサイトに「アメリカ人医師が現地入りして、日本で何が必要かの調査を行っている」とあります。
また、「通訳として、その派遣団に同行したい」という「在米日本人通訳」も名乗りを挙げているようですが、、、、。私自身、「調査団」が「通訳を連れ立って」現地入りし、その全ての旅費・滞在費を日本側が「至れり尽くせり」で賄うというのは、やり過ぎのような気がしました。

まるで「アフリカの無医村へ、調査団を派遣して、医療テントを立ち上げる」かのような計画です。「日本の被災地」で「アメリカ人医療団」が「この村では何が必要か?」と調査する必要性があるのか?と疑問に感じました。

また、今回「アメリカ人医師でも自由に日本で医療行為ができるように」ということで、「超法規的措置」で「外国人医師の診療行為許可」が日本政府から出たそうです。ですので、「日本の医師免許を持たない」「日本の薬を使ったことが無い」アメリカ人医師でも、自由に診療行為が出来るとのことでした。


アメリカを含めて、世界中には「医療チーム派遣を積極的に行っているボランティア・チーム」が多数あります。
たぶん、一番有名なのが、フランスの「国境無き医師団」でしょう。勿論、こういった派遣ボランティアは重要な職務ですが、どうしても「お金」が絡んでくると「グレーな部分」「闇の部分」が出てくるのはしょうがないのでしょう、、、、。
「国境無き医師団」は、欧米では「短期間に驚異的な知名度と、資金を集めた組織」として、その方法論が「ビジネスモデル」として「研究対象」になっているほどです。彼らは「資金集め」「知名度向上のための宣伝活動」などを効率よく行うため、こういった「宣伝・資金集めのプロ」を多数雇用して、成功したとされています。(プロ集団による「知名度向上の成果」が「ノーベル賞受賞」という形になり、これが「更なる」知名度の向上と「金集めの成功」につながって、無限の「ポジティブ・スパイラル」に入っていると評されます。)

まあ、ボランティア団体に個人的な恨みは無いので、彼らがどうしようが「距離」を置いておけば良いかな、、、と思っています。


ただ、今回「募金したお金」がこういった形で使われているのを偶然知って、「ちょっと悲しくなっている」のが正直なところです。
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被災地の医療スタッフは不足しています。
ですから、海外の医療スタッフが手伝いに来てくれるというのは、
非常に喜ばしい事です。
政府も、超法規的措置をとり、日本の医師免許を持たない医師であっても、
診療行為が出来るようにしています。
しかし、このアメリカ在住医師のメールを見る限り、
善意で集められた寄付が、あまり良いやり方で消化されていないのではないか、
と感じます。
世界に名高い(悪い意味で)、我が国のばらまきODAを彷彿させます。

繰り返しますが、被災地の医療スタッフは、不足状態です。
ボランティアとして赴く医療スタッフたちは、交通費は自ら払い、報酬もありません。
彼らたちの作業は過酷であり、長時間にわたります。
それを「ボランティア」と言うだけで、お金を払わなくて良い、という考えでは、
活動自体長続きしません。
そもそも、ボランティア=無償、ではないのですから。

多額の義捐金が、海外の医療スタッフに出回る余裕があるのなら、
まず、ボランティアとして赴く医療スタッフに対しての金銭的補助と共に、
職場をある一定期間休めるようにするなどの整備に使ってほしいものです。

そのための具体的な方法として、集めた義捐金を、一度、
国庫金としてプールできるような仕組みを作るべきだと思います。
(参照: 日本政府の援助拒否ー危機管理の立場から考察する

義捐金とは、まさしく、人々の善意で集められたお金です。
それを、被災地の復興のために、最大限有効に活用する事が、
政府の責任であると考えます。

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