2010年2月25日

鳥と季節性のインフルエンザで高病原性インフルが猛威を振るう?!【前編】

強毒の混合ウイルス作製=鳥のH5N1と季節性インフル-東大医科研など
2月23日5時14分配信 時事通信

http://www.pnas.org/content/early/2010/02/18/0912807107.abstract


 強毒性のH5N1型鳥インフルエンザと人の季節性インフルエンザ(H3N2型)のウイルスを組み合わせると、より病原性の高い混合ウイルスが出現しうることを、河岡義裕東大医科研教授、八田正人米ウイスコンシン大准教授らのグループが23日までに明らかにした。さらに、この場合に鍵を握る遺伝子も突き止めた。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 従来の研究では、同様に作られたウイルスの病原性は元のH5N1より弱まっており、強毒ウイルスは生まれにくいと考えられていた。同教授は「新型の登場でH5N1の存在が忘れられているが、監視を続ける必要がある」としている。
(2月23日5時14分配信 時事通信)


新型インフルエンザに対する警戒は
H5N1高病原性鳥インフルエンザに対するものから始ったのですが、
予想に反して(?)H1N1豚インフルエンザが流行したので、
トリはいつの間にか忘れられてしまったようです。

今回の記事は、毎年流行するインフルエンザと
H5N1という高病原性ウイルスが合い合わさって、
より致死性の強いインフルエンザウイルスが生まれる可能性がある!
という身も凍るような記事です。
確率論的には、ありうる話なのだと思います。

問題は、こうして生まれたスーパーキラーウイルスが
本当に私たち人間の間で流行するの?ということです。
私は、まずあり得ないと思っています。

なぜそう思うのかについてご説明しましょう。

一般の人は、細菌とウイルスの区別がついていないことが多いのですが、
ウイルスと細菌は違います。
何が違うかというと、何といっても大きさが違うのです。
人間に例えれば細菌は立って歩ける大人で、
ウイルスはおなかの中にいる赤ちゃんです。
小さすぎてお母さんがいないと生きてゆけないのです。

細菌もウイルスも人に取りついて、悪さをしますが、
細菌は大きいので薬でやっつけることができます。
しかしお腹の中にいる赤ちゃん状態のウイルスを殺すには
どうしたらよいでしょうか。

そうですよね。お母さんも一緒に殺さなければなりません。
実際はお母さんというよりも、遺伝子に入り込んでウイルスは増えていきます。
致死率50%というのは、取りついた人の半分を死に追いやるということです。

ここで考えてください。
ウイルスは一緒に生きてくれるお母さん(宿主といいます)が必要です。
宿主が50%死ぬということは自分たちの半数も死に絶えるということです。

インフルエンザウイルスは
ワクチンなどからの攻撃をかわすために
次々と顔を変える頭のよいウイルスです。
こんな頭の良いウイルスが、
自分たちの半数も死ぬような
自爆テロのようなことをするわけがないと思いませんか。

ウイルスの種類は違うのですがSARSが世界中に広がらなかったのは
余りに致死率が高かったからではないか、ともいわれています。

それでは、この記事で取り上げられた
スーパーキラーウイルスは流行ることはあり得ないことでしょうか?
普通に考えたらまず考えられないのですが、可能性はあります。

それは、人為的に撒かれること、すなわちバイオテロです。
ウイルスは遺伝子解析ができていれば造ることができます。
製造した強毒ウイルスを世界中にばらまけば、
大惨事となることは容易に想像できます。

そうなっては遅すぎますよね。
ですから私たちは、バイオテロの標的とならないようにしなければなりません。

これについては後編で書くこととします。


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2010年2月18日

限界は空高くに!

The sky is the limit

Do not undrerestimate your own potential ability.
You may be surprised how much you can do when you really try.
Don't give up too soon,
And don't listen to discourraging advice.
Keep your goal high, and take a realistic first step now.
And always remember that the sky is the limit.


千葉敦子 「若いあなたへ!」偕成社 より



今日はニュースの話題ではありません。
今よりもう少し若かった私が、
傍らに置いて自分を勇気づけてくれた文章をご紹介します。


千葉敦子氏は1940年に生まれた
バイリンガルのジャーナリストで、
1987年乳がんのためこの世を去りました。
最後までジャーナリストとして生き、
自らの闘病手記を書き続けました。

彼女の生きざまに、大学生の私は大きなショックと感動を受け、
著作を読みあさりました。
ジャーナリスティックな本が多い中、
私が一番感銘を受けたのが「若いあなたへ!」
という本でした。

あなたは将来なんになりたいですか?
ではじまる女子高校生に向けたメッセージです。
「自分の能力を過小評価してはいけません。
本気になって取り組んだ時、
自分がこんなにもできるものだと驚くはずです。
すぐにあきらめないでください。
それから、自分の向上心に水を差すような言葉には
耳をかさないでください。
目標は高く持ち、今できることから始めてください。
そして、限界は空高くに、ということを忘れないでください」
彼女の文章そのままではありませんが、
たしかこうした日本語訳がついていたはずです。

娘たちを生んで離婚をして途方に暮れた時も、
"The sky is the limit"を心に刻んでいました。


前回は「金メダル遺伝子」について書きましたが、
人の能力は遺伝子や環境要因だけで
決定されるものではありません。
望んでも必ずしも叶わない時もあるかもしれません。
しかし、何かになりたい、何かを成し遂げたい、
と思わなければ道は開けないのではないでしょうか。


最後に、一昨年92歳の最後まで教鞭をとり続け、
世界最大の疫学者(epidemiologist)と称される
恩師GW Comstock博士の言葉を皆さんに送ります。

Where there is a will, there is a way.
Where there is no will, there is no way.


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昨日はチーズケーキを焼きました。水切りしたヨーグルト使います。
こうするとクリームチーズ半分ですむので少しはヘルシー?
コクも十分です。週一回は作ってます!






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2010年2月15日

「金メダル遺伝子」あるのか?

「金メダル遺伝子」あるのか? 来月6日、NHK 最新研究を紹介

 バンクーバー五輪を目前に控え、NHKは2月6日放送の情報報道番組「追跡!AtoZ」(土曜後10・00)で、「“金メダル遺伝子”はあるのか?」と題し、最新の遺伝子研究を紹介する。

 一流のスポーツ選手たちは、普通の人より血液中のヘモグロビンを多く作ることができる遺伝子を持っていたり、短距離走に有利なたんぱく質を生み出す遺伝子を持っていたりすることが近年の研究で分かってきた。番組ではこうした遺伝子を金メダル遺伝子と呼ぶ。実際、ジャマイカで行われた調査では、短距離走者の75%が「ACTN3(RR型)」と呼ばれる遺伝子を持つ結果が出た。

 金メダル遺伝子は、人類の新たな可能性を切り開くことになるのか? あるいは地道な努力の意味を否定することにつながるのか? 最新科学がもたらした新たな問題を追跡する。

(2010年1月21日 読売新聞)




冬季オリンピックが開催されました。
昨日は上村愛子選手がモーグルで4位入賞。
毎日報道から目が離せず、
寝不足になっている方も多いのではないでしょうか。
今日はそのオリンピックに関連した
「金メダル遺伝子」についての記事を選んでみました。


スポーツ界で好記録を上げる選手には
一般人とは違った特別の遺伝子構造を持っている、
ということが研究で分かってきたというのです。
さて、この結果はどう解釈したらよいのでしょうか。

この研究方法は短距離走者と
そうでない人たちの遺伝子を比較して、
両者にどんな違いがあるかを比べる、というやり方で、
疫学調査のうち「横断研究」といわれるものです
横断研究とは字のごとく、
物事の局面をえいやっと横断面で切ったようなものです。
ですから、切り口によって様々な形になります。


この記事をみると、ACTN3(RR)を持った人だけが速くて、
持たない人は努力してもたかがしれている、
と思うかたもいると思いますが、
実際この遺伝子が金メダルに象徴されるスプリンターとしての勝者に
どの程度影響を持つかどうかというのは別の話です。

特別な遺伝子を持っていれば、
短距離選手として恵まれている土台を
もっているかもしれません。

例えば、脚が長い人は一般的に有利ですよね。
しかし、だからと言って脚の短い人が速く走れないか、
といったらそんなことはありません。
脚が短くてもよい筋肉を持っている人は、
良い筋肉を持たない長い脚の人よりも
速く走れるかもしれません。

こう考えると、“短距離を速く走る”といっても
複数の遺伝子が関与すると考えるのが普通です。
ACTN3(RR)はその内の1つを見つけただけで、
他にももっと違う遺伝子があるかもしれません。
そして、未知の遺伝子の方が今回見つかったものより、
速く走るという能力に貢献しているかもしれません。


それから、忘れてならないのは、
人の能力や業績は遺伝要因だけにはあらず、ということです。
人間の体はすべて遺伝子から成り立っていますから、
遺伝子が関わらない状況などはあり得ないのです。
「蛙の子は蛙」というように、
蛙が人間を産むことは通常あり得ません。
(遺伝子操作をすれば違った話ですが)。

しかし、人には「環境」や「努力」といった別の要因があります。
こうした遺伝以外の要因がどれだけ結果に影響するかは、
本当のところどんな研究をしても正確にはわかりません。

それは、外的環境要因は複雑すぎて、
どうやって調べたらよいか、という決まった定規が作れないからです。

そうはいっても、
私たちは遺伝子が大きく関わる体型などのハンデを持ちながら、
優れた記録を打ち立ててきた人たちを知っています。
彼らの勝利は努力と周りのサポートが
大きく影響していると考えざるを得ません。


最後に、遺伝要因でも環境要因でもない「第3の因子」が人間にはあります。
それは「チャンス」です
遺伝子や環境要因だけで
人の運命が決まってしまったら面白くないので、
神様はこうした「奥の手」を用意しているのかもしれませんね。

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ANAの中国便で大好きなパンダ飛行機が飛んでいました!
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2010年2月10日

米国のメディアリテラシーは日本より低い!? -トヨタリコール報道に見る情報規制-

トヨタ、今週中にも新型プリウスのリコール実施へ (プレジデントロイター 2009.2.7記事引用)

トヨタ、今週中にも新型プリウスのリコール実施へ
[豊田(愛知県) 7日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は、ハイブリッド車の新型「プリウス」でブレーキに不具合が発生した問題で、国内で販売した車両について今週中にもリコール(回収・無償修理)する意向を販売店などに伝えた。トヨタ販売店関係者が7日明らかにした。

 トヨタはプリウスの不具合は欠陥ではないとして、自主改修である「サービスキャンペーン」も検討したが、信頼回復を優先しリコールに踏み切る判断をしたもよう。リコールでは、不具合の原因となったアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)のソフトを修正することになるとみられる。

 新型プリウスは 昨年5月に発売された米国など国内外で計30万台以上が販売されている。これまでブレーキが利きにくいとの苦情が寄せられており、1月以降には、改善策が公表されずに実施されていたことなどが明らかになり、トヨタ側の安全性に対する姿勢が問われつつある。米国などでもリコールや自主改修で同様の無償修理を行う。

 前原誠司国土交通相は5日夕の閣議後会見で、プリウスの問題について、トヨタがリコールかサービスキャンペーンかいずれかの対応をすると事務方から聞いていると説明。トヨタ側が「設定の問題であり、大きな問題ではない」と説明したことについて、「(自動車を)使う側が決める話」、「トヨタの対応は顧客の視点がいささか欠如しているという思いがある」と批判していた。




トヨタ車のアクセルペダル不具合が
全世界的な注目を集めています。
アメリカに端を発した問題ですが、
日本でもプリウスを初めとする
四車種22万3千台、米では10万台をリコールするそうです。
何故急にトヨタ車が叩かれ始めたのか、
正確なところはわかっていません。

フィナンシアルポストカナダによると、

アメリカ政府が自国の自動車産業を守るためではないか、
と指摘しています。

それほど今回のトヨタ叩きは異常なのです。
アクセルペダルの問題の発端はアメリカ製の部品です。

実際、同様のブレーキ不具合がフォード車にもあるのにも関わらず、
ほとんど報道されていません。
アメリカによる外資叩きだと
米報道のトヨタバッシングに
非難の声が出ているのは当然と言えます(フィナンシアルポストカナダ)。



米トヨタ販売会社DARCARS副社長タミー・ダビッシュは
「刺激的に報道しすぎ、トヨタの大規模リコールは初、
他メーカーは毎年もっと多い。
政治的色彩が濃厚、出る杭は打たれる感じ。」
とテレビ東京モーニングサテライトで発言しています。


2009年夏に事故を起こしたレクサスも、
床マットの不具合からであって
自動車部品の不備と断定できるようなものではありません。


GMではトヨタからの乗り換え客に
千ドル還元キャンペーンを開始。
政府、報道、企業の連携による保護主義を
垣間見る事ができます。

どこを探しても米国産自動車の
リコール数は報道されていないのに、
トヨタのリコール数だけは
事細かに伝えられているのも、
何か作為的な空気を感じます。

まるで大規模破壊兵器がイラクにあると言った
開戦論が蔓延した当時となんら変わっていないなあと感じませんか。


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2010年2月9日

収まらぬ「がんに効く」信じた消費者の怒り

今や日本人の半数ががんに罹るともいわれるほど
がんは身近な病気になっています。
とはいっても新型インフルエンザのように
ほとんどの人が治る病気ではなく、
放っておけば確実に命を落とします。
気がついたときには手遅れであったという例も多く見られます。
特効薬のないがんですから、
治療法が尽きた段階で「藁をもつかむ」思いで
様々な民間療法に手を出し、多額の投資をする人が多い、
というのも心情的に頷けます。
しかし、効くかどうかわからない民間療法に手を出すことに、
疑問を持たれる方も多いと思います。


それではこの記事はどうでしょうか。
豆腐・納豆食べる人 肺がんリスク減ります たばこ吸わない男性
厚労省調
  (Yahoo!ニュース 産経新聞社より引用)


 たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、5日公表した。

 研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。男性481人、女性178人が肺がんになった。食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出し、男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較した。

 男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多いグループ(豆腐換算で1日約203グラム)の発症率は、最も少ないグループ(同約37グラム)の43%だった。男性全体では関連は出なかった。喫煙の影響があまりに大きいためとみられる。豆腐1丁は300~400グラム程度とされる。女性でも、統計学的に意味のある差はなかったが、同様の傾向だった。

 研究班によると、肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が肺がん発症に影響するか注目され、今回と同じようにイソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する海外の報告があるという。

 ただ同センター予防研究部の島津太一研究員は「肺がんの最大の原因はやはりたばこだ」と話している。



厚生労働省の研究班が出した結果だから、
豆腐と納豆はがんの予防になるのだ、
あるいは、豆腐と納豆を食べていればがんにはならない!
と思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし医学の知識がある者がこの研究だけで言えるのは、
豆腐と納豆に含まれているイソフラボンは
肺がんのリスクを低下をさせるかもしれないが、
この研究だけでは結論はできないよ、ということです。

この調査で取り上げた肺がんだけでも
実はいくつかの種類があります。
そして何故がんになるのか、そのメカニズム自体
今の医学ではまだはっきりとは分かっていないのです。
もしかしたら、がん発生が少ないグループは、
豆腐納豆以外にがん予防になるかもしれない
と言われている食品を多く取っていたかもしれないし(例えばビタミンC)、
がん予防に有効だといわれているストレスの少ない
規則正しい生活をしていたかもしれません。


普段は「民間療法は効くかどうかいい加減」
などと冷静に疑う人も、
上記の「豆腐・納豆食べる人 肺がんリスク減ります」「厚労省調査」
なんていうタイトルから読めば、
「豆腐と納豆を食べればがんにならない!」
という心理を引き起こしかねません。

厚労省研究班研究からの結果は、
イソフラボンの抗発がん作用を論じていて、
「肺がん」の予防に一役買うかもしれない
という結果を示した一つの研究発表ですが、一方、
イソフラボンは女性ホルモンに似た構造をもっています。
女性ホルモンは乳がんを発生させる
という報告もあることをお忘れなく。


いずれにしても、がんの発生要因は複雑で、
これを食べるとがんにならない、とか、
これを食べると必ずがんになるという
単純なメカニズムではないことを
皆さんがくみ取っていただければと思います。


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2010年2月5日

青魚を食べるとアルツハイマーにならない?!

こんにちは。木村盛世です。
メディカルジオポリティクス・カフェ記念すべき第一回目にようこそ!
若い女性の皆さまたちと一緒に学ぶ場があればと思って
このブログを立ち上げました。
報道された記事の裏を探る(*^-^) ことによって、社会の深層を探る、
というのがこのブログの目的ですが、
ゲーム感覚で読んでくださいね。

立春が過ぎたとはいっても「春は名のみの…」といった寒さが続いています。
こんな寒い日は朝出かけるのも辛いですね。
私は駅までの道を、双子の娘たちとかけっこします。
着くころには体がほかほかです。
まだまだ10代には負けないわ!

ところでDomani3月号 Domani Journalの
「木村盛世の気になるニュース5」に出ています!

先日行きつけのジムで「見ました!」と声をかけられびっくり。
どう見ても私と同年代の女性でしたが愛読書だそうです。
いろいろなところから「良かった」と 好評をいただいているので
よろしかったら立ち読みでもしてくださいね(小学館さんごめんなさいm(__)m)。



それでは、本題ですが、このようなニュースは如何でしょうか?

「青魚を食べるとアルツハイマーにならない?! 」

DHA:毎日食べて認知症予防に効果 島根大チームが実証
(毎日JPより引用)

青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を毎日食べ続けることで認知症予防に効果があることを、島根大医学部の橋本道男准教授(脂質栄養学)のグループが、高齢者108人に行った試験で実証した。100人規模の高齢者を対象に実際に毎日食物として食べさせるなどする「介入試験」で効果を実証したのは国内初という。7月に米国・ハワイで開催の国際アルツハイマー病会議で発表する。

 島根県立大などと共同で実施。同県在住で65歳以上の健常な高齢者108人(平均年齢73歳)を、二つのグループに分け、一方にDHA850ミリグラム、EPA200ミリグラムを含む魚肉ソーセージ、もう一方にいずれもほとんど含まない魚肉ソーセージを1年間、毎日2本ずつ食べさせた。

 一度見た図形を模写するテストや、あらかじめ決められたルールに沿って指を動かすテストを行ったところ、DHA入りを食べていたグループは成績が改善、短期記憶や運動能力などの機能低下が抑制された。



これを読むと、青魚がアルツハイマーの特効薬
と思ってしまいますが、そうではありません。
まず、認知症と呼ばれるカテゴリーには
アルツハイマーを含めて数多くの病気が含まれます。
病気が違えば原因が違うし、
原因も1つではなく複数が絡み合っています。
その前に、何が原因で その病気になるかすら、
ほとんどの病気で解明されていないのです。

それから、この研究は健康な人に対して行った介入ですから、
はたして病気の人に投与したら良くなるかどうかは
わかりません。

DHAとEPAを魚肉ソーセージに混ぜたようですが、
食べたグループの人は、食べることによって
健康に対する意識が高まり、毎日運動をしたかもしれないし、
他に健康によい食事なりサプリを摂ったかもしれません。
そうなると、運動や他の食品が記憶力なり
運動機能を改善したのであって、
DHAとEPAによる結果だとは言えなくなります。


また、同じ研究を他の地域や人種を使って行った場合、
同様な結果を得られるという保証はありません。


もうひとつ忘れてはいけないのは、
魚を食べることは良いことだ、
という利点ばかりが強調されてしまうことです。
残念なことに今の環境汚染下では
魚は決して安全な食料とは言えません。
「魚を食べよう」という宣伝や研究の背後には
水銀等の汚染を無視した業界の意図があるかもしれない、
ということも見落としてはいけません。

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