がんは身近な病気になっています。
とはいっても新型インフルエンザのように
ほとんどの人が治る病気ではなく、
放っておけば確実に命を落とします。
気がついたときには手遅れであったという例も多く見られます。
特効薬のないがんですから、
治療法が尽きた段階で「藁をもつかむ」思いで
様々な民間療法に手を出し、多額の投資をする人が多い、
というのも心情的に頷けます。
しかし、効くかどうかわからない民間療法に手を出すことに、
疑問を持たれる方も多いと思います。
それではこの記事はどうでしょうか。
豆腐・納豆食べる人 肺がんリスク減ります たばこ吸わない男性
厚労省調査 (Yahoo!ニュース 産経新聞社より引用)
たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、5日公表した。
研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。男性481人、女性178人が肺がんになった。食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出し、男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較した。
男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多いグループ(豆腐換算で1日約203グラム)の発症率は、最も少ないグループ(同約37グラム)の43%だった。男性全体では関連は出なかった。喫煙の影響があまりに大きいためとみられる。豆腐1丁は300~400グラム程度とされる。女性でも、統計学的に意味のある差はなかったが、同様の傾向だった。
研究班によると、肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が肺がん発症に影響するか注目され、今回と同じようにイソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する海外の報告があるという。
ただ同センター予防研究部の島津太一研究員は「肺がんの最大の原因はやはりたばこだ」と話している。
厚生労働省の研究班が出した結果だから、
豆腐と納豆はがんの予防になるのだ、
あるいは、豆腐と納豆を食べていればがんにはならない!
と思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし医学の知識がある者がこの研究だけで言えるのは、
豆腐と納豆に含まれているイソフラボンは
肺がんのリスクを低下をさせるかもしれないが、
この研究だけでは結論はできないよ、ということです。
この調査で取り上げた肺がんだけでも
実はいくつかの種類があります。
そして何故がんになるのか、そのメカニズム自体
今の医学ではまだはっきりとは分かっていないのです。
もしかしたら、がん発生が少ないグループは、
豆腐納豆以外にがん予防になるかもしれない
と言われている食品を多く取っていたかもしれないし(例えばビタミンC)、
がん予防に有効だといわれているストレスの少ない
規則正しい生活をしていたかもしれません。
普段は「民間療法は効くかどうかいい加減」
などと冷静に疑う人も、
上記の「豆腐・納豆食べる人 肺がんリスク減ります」「厚労省調査」
なんていうタイトルから読めば、
「豆腐と納豆を食べればがんにならない!」
という心理を引き起こしかねません。
厚労省研究班研究からの結果は、
イソフラボンの抗発がん作用を論じていて、
「肺がん」の予防に一役買うかもしれない
という結果を示した一つの研究発表ですが、一方、
イソフラボンは女性ホルモンに似た構造をもっています。
女性ホルモンは乳がんを発生させる
という報告もあることをお忘れなく。
いずれにしても、がんの発生要因は複雑で、
これを食べるとがんにならない、とか、
これを食べると必ずがんになるという
単純なメカニズムではないことを
皆さんがくみ取っていただければと思います。
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